更新情報:メモリアル記事として写真を追加しました。
埼玉県寄居町、市街地の道路拡幅に伴い開発が進んでおります。
その過程で姿を消した建物、看板建築、「美髪忍館(びはつおしかん)」。
独特で美しいその姿は多くの皆さまが目に止め、愛されていたと思います。
この記事ではその姿を写真に残させていただきたいと思います。
また、2020年8月にご紹介した書籍「看板建築図鑑」(宮下潤也さん著)についても一緒に掲載させて頂きます。
美髪忍館の姿
晴れた夏の日の姿です。正面の横断歩道に立つとその特徴的な姿が目に入ってきます。
この素敵な姿が、日常の風景の一部となっておりましたが、
お隣の山崎屋旅館さんが姿を消してからは、
改めて尊さを感じ、眺めておりました。
この建物のトレードマーク、西洋建物を模した上部形状と中央上部のメダリオン。
上から各層で素材表面が異なってゆくのも凝っております。
正面入口のガラス戸。可愛らしい花柄が見えました。
古くから親しまれた床屋さんです、営業を終えてからも
映像作品の撮影ロケ地としても活躍しておりました。
植えられた植栽も建物を引き立てるようで見事でした。
季節に寄ってその印象を変えてゆくのもまた素敵でした。
「美髪忍館(びはつおしかん)」看板建築の巧みさと面白さを
教えてくれる貴重な建物だったと思います。
長い間お疲れさまでした。
以下、以前書いた2020年8月10日の記事です
寄居町にある「美髪忍館」(びはつおしかん)さんの佇まい。
良いですよね!
町を歩くたびに、写真を取らせて頂いておりました。
そんなある日、とあるツイートに行き当たりました。
「美髪忍館」埼玉県大里郡寄居町大字寄居の県道沿いに建つ美容室。中央を三角形に立ち上げたパラペットに円形のメダイヨンが嵌まる。壁面はレンガ風のタイル張りで爪先からてっぺんまで完全なシンメトリーを成し、小ぶりながらも気品ある店構えが秀逸。 #今日の看板建築 pic.twitter.com/eGSQ6aGYuH
— Jun-Jun (@biblio_babel) July 19, 2020
写真とともにとても詳しく解説されております。
しかも「小ぶりながらも気品ある店構えが秀逸」と
「正に!」という素敵な言葉で称賛されております。
「#今日の看板建築」に注目。
なるほどこういう建物って看板建築と言うんですね。
ツイートされた宮下潤也さんは、
看板建築を研究、紹介、著作を出されている方だと知りました。
書籍「看板建築図鑑」
興味がむくむくと湧いてきましたので早速、本を購入。
明治、大正期の「擬洋風商店建築」や「洋風店蔵」、
昭和に入っての「看板建築」の歴史。
詳細に美しくイラスト化された全国の名看板建築と
解説等とても面白い内容です。
この本を読むと、街歩きが楽しくなること請け合いです。
私も夏休みに入り、朝散歩として
本で紹介されている川越の看板建築を見に行ってきました。
お蕎麦も美味しい「そば屋 一丈」さん。銅板一文字葺き。
1930年築の旧湯宮釣具店の建物です。
その他「アートカフェ・エレパート」さん(1915)
「シマノコーヒー大正館」さん(1933)も見てきました。
どれも素晴らしかったです。
寄居町の街歩き
話を寄居町に戻します。
川越のように国登録、市指定有形文化財などにはなっていませんが
町を歩くと「美髪忍館」さんのような素敵な看板建築を発見することができます。
世代を超えて現役で活躍している商店もありますよ。
商店街にはシンプルさの中に歴史が醸し出すロマンを感じる
後期看板建築も多々あります。
今度は是非、書籍「看板建築図鑑」(宮下潤也さん著)を読んで
寄居町の看板建築めぐりをやってみたいと思います。
様々な魅力に出会える寄居町の街歩き。
おすすめいたします。