【寄居町・玉淀】1916年宮沢賢治がこの地を訪れて詠んだ2つの短歌。文学碑。荒川の片岩と博多帯。

更新情報:宮沢賢治が荒川の片岩について博多帯に例えたエピソードが
ブラタモリ(2021年4月24日長瀞・秩父スペシャル)で取り上げられた事を追記しました。

宮沢賢治が盛岡高等農林学校の2年生だった1916(大正5)年9月、
地質見学旅行で、ここ寄居町を含む秩父地方を訪れ短歌を詠んだそうです。

その句が玉淀河原沿いに歌碑として刻まれております。

先日記事にしました玉淀水天宮の直ぐ側にあります。
この辺りは荒川を眼下に望める道が整備され、とても歩きやすいです。

歌碑に刻まれている歌ですが。

毛虫焼く まひるの火立つ これやこの 秩父寄居の ましろきそらに

「毛虫を焼く」は夏の季語だそうです。
「これやこの」は「これがまあ」という意味。

「毛虫」ちょっとユーモラスに感じましす。よくよくこの短歌を反芻してみると
私が子供の頃、校庭の桜の木についた毛虫の巣を、火で焼いていたのを思い出しました。
そして寄居の山を近くに、秩父連山を遠くに同時に見る。
そんな有りし日の夏の情景がありありと思い出されたことに驚き、感動です。
宮沢賢治に寄居・秩父と詠われているのもとても嬉しいですね。

つくづくと 粋なもやうの博多帯 荒川きしの 片岩のいろ

荒川の片岩の美しさを、博多帯にたとえて詠った短歌です。
これを機会に博多帯を幾つか見てみました。
沢山の柄の種類をもつ美しい絹の帯です。
中でも白を貴重にした帯は上品で美しく、
荒川の片岩に喩えるのにとてもふさわしく思いました。


寄居町荒川 正喜橋


お隣長瀞町 荒川

宮沢賢治が荒川の片岩について博多帯に例えたエピソードが
ブラタモリ(2021年4月24日長瀞・秩父スペシャル)でも取り上げられました。

宮沢賢治はもちろん有名ですが、今回この句碑を知ることで、
いっそう身近に感る事ができました。
地域の魅力に目を向けると様々な方面にに興味が湧いてきます。
今まで触れることの無かった知識や文化、芸術にふれることができます。

先人達が愛した玉淀の魅力を
時を越えて共有しながら過ごすのは良い時間でした。

宮沢賢治句碑の場所は以下です。

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